ドイツでの通訳業務は、日本語とドイツ語(または英語)を使って、現場でリアルタイムに意思疎通を助ける仕事です。
業務の種類や働き方、必要な資格、報酬相場などを整理すると次のようになります。
【主な通訳の種類】
種類 | 内容 | 活躍の場 |
逐次通訳(Konsekutivdolmetschen) | 話者が区切って話した後に訳す。 | ビジネス会議、商談、セミナー、工場見学、研修など |
同時通訳(Simultandolmetschen) | 話者とほぼ同時に訳す。(ブースや機材使用) | 国際会議、公式発表、大規模イベント |
ウィスパリング(Flüsterdolmetschen) | 小声で同時通訳を行う。 | 少人数の会議やVIP同行 |
現場・アテンド通訳 | 企業訪問や展示会、工場見学、観光案内などで同行し、日常会話や専門用語をサポート。 | 観光業、出張サポート |
【主な業務現場】
・ビジネス分野
見本市(例:ハノーファーメッセ、アンビエンテなど)
取引先訪問、契約交渉
技術研修やマシン据え付け時の現場通訳
・医療分野
日本人患者の病院受診サポート
医療機関の国際会議や研修
・行政・法務分野
市役所や外国人局(Ausländerbehörde)での手続き
裁判所通訳(Gerichtsdolmetscher)
・観光・文化分野
ツアーガイド兼通訳(通訳案内士的役割)
芸術イベントや交流プログラム
【必要な資格・登録】
・必須資格はない(民間でも活動可能)
・ただし公式文書や裁判所通訳は、州ごとの「公認通訳(Beeidigter Dolmetscher)」登録が必要
・語学力だけでなく、専門分野の知識や用語力が重要
【収入・料金目安】
※経験・分野・依頼主によって変動
・逐次通訳:時給 €35〜€60
・同時通訳:半日(4時間)€300〜€500、1日€500〜€900
・アテンド通訳:時給 €25〜€50(観光業はやや低め)
・裁判所公認通訳:州の規定で1時間あたり約 €70〜€90
(移動時間・待機も有償の場合あり)
【働き方】
・フリーランス
通訳エージェントや翻訳会社、現地企業から案件を受注
見本市や会議など単発案件が多い
・企業内通訳
ドイツ進出の日系企業や国際企業で常勤
通訳以外に翻訳や秘書業務を兼務することも多い
・オンライン通訳
ZoomやTeamsを使った遠隔通訳
日本のクライアントからの依頼も受けやすい
【ポイントと注意】
・契約前に拘束時間・移動費・キャンセル規定を明確にしておく
・ドイツでは時間単価より半日・1日単位の料金設定が主流
・同時通訳は必ず2名以上で交代制
→同時通訳には体力・集中力の限界があり、通常は10〜15分程度が連続稼働の限界とされています。
・医療や法務は正確性と倫理遵守が求められる
・ビジネス通訳では専門用語の事前準備が成功のカギ
→十分に事前の資料を時間に余裕をもって入手できない場合、仕事を断る通訳さんもいらっしゃいます。
→手配する側もなるだけ顧客の情報や資料を早い段階で入手し、通訳さんが事前にしっかり準備できるようにサポートしなくてはいけません。
→これは現場で、通訳さんがよりスムーズに仕事をするために大事なことです。
【同時通訳の時間的限界】
・一般的な交代時間:10〜15分ごと
国際会議や公式イベントでは10〜12分が推奨
特に専門性が高い内容や速い話し方の場合はもっと短く交代
・理由
1.脳の負荷が極めて高い
聞き取り → 意味理解 → 言語変換 → 発話 を0.5〜2秒の遅延で行う
2.集中力の持続時間
脳科学的にも高負荷作業は15分前後で精度が落ち始める
3.疲労による誤訳リスク
認知処理が追いつかなくなり、省略や誤訳が増える
4.交代制の基本
同時通訳は必ず2名以上で行い、片方が通訳中はもう片方が資料確認や用語サポートを行う

長時間イベントでは3名体制もあり
【まとめ】
通訳業務は、異なる言語と文化の橋渡しをする仕事です。
仕事を依頼する側としては、通訳さんが気持ちよく仕事に励んでいただけるよう、しっかりサポートすることが大切でした。
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