【マネージャーからの依頼】
ある日のこと、マネージャーに呼ばれ、「これから空港へ、VIPのお客様に謝りに行って欲しい。」と言われました。
なぜ、突然、謝りに行くことになったのか、事の経緯を順番に説明いたします。
【ツアーの基本的な流れ】
・私が働いていたM社 では、当時、富裕層やVIP向けの複数国周遊団体ツアーを手配していました。
・例えば、ドイツだけではなく、フランス・オランダ・ベルギー・チェコ・オーストリア・ポーランド・ハンガリーなど、複数の国を次々と巡る日程です。
・各国の現地支店や担当者が、それぞれの国のホテル・移動・観光ガイドなどを手配していました。
旅行会社の現場で“手配ミス後の即応”を支えるのは人的アシスト体制です。
アシスタント業務の全体像は、こちらも参考になります。↓↓
No.009 代理店ミッション#3:人的サービスの手配とアシスタント業務
【問題が発生するケース】
・例えば、フランス滞在中にフランス側の手配ミス(ホテル予約の手違い、送迎車の遅延、食事内容の誤りなど)が発生したとします。
・本来であれば、その国の担当社員が直接お客様にお詫びするのが基本です。
【しかし謝罪できない場合】
・お客様がすでに次の国へ移動してしまい、フランス担当者が直接会えない場合があります。
・このときは、次の訪問国のM社社員が、お客様に代わってフランスでのミスについてお詫びします。
【実際のやり取りの順序イメージ】
- 例えば、フランス滞在中にトラブル発生
→ 現地(フランス)の担当が本社や次の国の担当に報告
- お客様が移動(例:フランス → ドイツ)
- 次の国のMiki担当者が事情を把握
・事前にフランス担当から「何が起きたか」「どのように対応したか」の詳細を受け取る
- お客様と面会時に謝罪
・「フランス滞在中の不手際について、弊社としてお詫び申し上げます」という形で説明
- 必要であれば、その場で補償やフォロー
・レストランのアップグレード、特別サービスなどを実施
【ポイント】
・国ごとの担当制ですが、お客様から見れば「同じM社」なので、どの国の担当者であっても責任を持って対応する必要がありました。
・お詫びのタイミングを逃さないように、国をまたいだ情報共有と引き継ぎが非常に重要でした。
・この対応は、お客様との信頼維持のための**「会社全体で責任を持つ文化」**の一部でした。
【実際の謝罪】
・フランクフルトの空港では、VIPツアーのために、M社で手配していたアシスタントさんと一緒にお客様を待ち受けました。
・お客様にお会いし、代表者の方に、他国での手配ミスについて謝罪しました。
・すると、お客様は、溜まっていた鬱憤を晴らすかのように、私に対して怒鳴り始めました。
・怒鳴られる途中、マネージャーに言われたことを思い出していました。「いいかい。どんなことがあっても、ひたすら謝ってください。」
・マネージャーの言う通りに、心から謝罪し続けました。怒鳴られること5分程が過ぎたところで、ようやく解放されました。
・側にいたM社手配のアシスタントさんに、「大丈夫?」と心配されましたが、私は、「はい、大丈夫です。お客様のお怒りはごもっともです。」と答えました。
【怒りを受けることの心の準備】
・まず、誰かの代わりに謝罪をすることでしたので、あまり気負わないようにしました。
・次に、私なりに、事情を把握して、真摯に謝ることだけに集中しました。
・最後に、謝る仕事を依頼されてから、空港まで移動する数時間、怒られるシミュレーションをして本番に臨みました。
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