アムステルダムでの出張を終え、観光のため、アムステルダム駅から北オランダの街へ向かう電車に乗りました。
この時は、まさか、自分がスリに遭うなんて思っていませんでした。
【スリは二人組】
私が乗っていた号車には、オランダ人の乗客も多くいらっしゃいました。
電車はまだ出発していませんでした。私は、3週間の出張が無事に終わった安心感で完全にオフモードでした。
そこへ、私と同じ号車に男性が一人乗り込んで来ました。その男性が、私の席の近くに来るなり、コインを落としたので、私は一緒に拾おうと低い姿勢になりました。
すると、他の乗客が立ち上がって大声を出し始めたのです。後ろを振り向いたら、背後から来た別の男性が、私のカバンを開けて財布を盗んでいました。
私は、何が起こったかすぐに理解できず、呆然としていました。スリの二人組は、私の財布を持って、さっさと電車から降りていきました。
スリには、それぞれの役割がありました。一人が正面から近づき、コインを落とし、私にコインを拾わせる。そして、私がコインを拾うため、低姿勢になり、貴重品から目を離した隙に、もう一人が背後から財布を抜き取る。というものでした。
さて、どうしたものか。パスポートと携帯は盗られていない。早く、クレジットカードを止めなくてはいけない。
今後の対応について、あれこれ考えていました。
【オランダ人の乗客が応戦】
そんな時、同じ号車にいたオランダ人の乗客がスリの二人組を追いかけて、「財布を返せー!」と叫んでいました。
スリの二人組は、オランダ人乗客の剣幕に怖気づき、なんと、私の財布を投げ返してきました。
【スリが投げた財布が線路へ一直線】
スリが投げた私の財布は、電車が止まっていた線路へ一直線。一難去ってまた一難。
オランダ人の乗客が、駅員さんに事情を話してくれました。財布が見える位置まで電車を移動し、落ちていた財布を拾ってくれました。
スリに遭ってから財布が戻ってくるまで約30分。
その間、極度のストレスで、心臓の動悸が止まらず、手が震えていました。
【オランダ人の乗客の優しさに感謝】
オランダ人乗客の勇気ある行動で、財布は無傷で私のもとへ戻ってきました。
財布が戻ってくる間、オランダ人のお母さんが私の側にいて、ずっと背中をさすってくれました。
このスリ騒動が一件落着し、ようやく、電車がアムステルダム駅を出発しました。
私が降りる駅は、終電に近いところだったので、途中の停車駅で降りる人たちを見送ります。
同じ号車にいたオランダ人が降りる際に、私に英語で話しかけてくれました。
「今回、大変な目に遭ったけど、オランダを嫌いにならないでくださいね。オランダ旅行を楽しんでください。」と。
私は、助けて頂いたお礼を伝え、降りていくオランダ人を見送りました。
【このスリ騒動で得た教訓】
「最後まで気を抜いてはいけない。」ということです。
オランダに何十年も暮らしている日本人も、大きな仕事が終わって、ホッとした瞬間にスリに遭ったことがあると話していました。
外国を旅するときは、楽しみつつも、細心の注意を払い続けることが大切だと思いました。
*【楽天受賞】防犯ブザー 護身用グッズ 振動センサー*
|
|

