オランダ滞在中に、マウリッツハウス美術館(Mauritshuis)を訪れました。
私が、長い時間、眺めていたのは、『レンブラントの自画像』でした。
レンブラントは、若き天才として一世を風靡しましたが、家庭の喪失と経済破綻を経験しました。
マウリッツハウスにある自画像は、晩年に魂を込めて描かれたもので、その表情から「栄光と苦難」を生き抜いたレンブラントの『光と影』を感じることが出来ました。
マウリッツハウスがどのようなところなのか、ご紹介いたします。
マウリッツハウス美術館(Mauritshuis)基本情報
- 場所:オランダ・ハーグ
 - 開館:1822年に美術館としてオープン
 - 建築:オランダ古典主義様式。ヨハン・モーリッツ伯の邸宅として建設/設計はヤコブ・ファン・カンペン&ピーテル・ポスト
 - 特色:17世紀オランダ&フランドル絵画を中心に約800点を所蔵。コンパクトで作品密度が高い美術館
 
歴史ハイライト
- 1644年頃に邸宅として完成
 - 1704年の火災で被害 → 1708–1718年に修復
 - 19世紀初頭、王室コレクションを収蔵する場として美術館化
 - 2012–2014年:地下ロビー整備や隣接建物と接続する拡張・改修を実施
 
必見コレクション(代表作)
- フェルメール『真珠の耳飾りの少女』
 - レンブラント『ニコラース・トゥルプの解剖学講義』
 - フェルメール『デルフトの眺望』
 - パウルス・ポッター『雄牛』
 - その他:フランス・ハルス、ヤン・ステーン、ヤーコプ・ファン・ルイスダールなどの傑作群
 
建物・空間のみどころ
- 小規模ながら各室の展示クオリティが高く、一点一点をじっくり鑑賞できる動線
 - 床・壁紙・シャンデリアなど内装も美麗で、17世紀邸宅の趣を体感
 - 改修後はエントランスや導線がわかりやすく、初訪問でも回りやすい
 
日本の美術館と比べた体験の違い
- 絵との距離感が近い:ガラスケース越しではなく、作品にかなり接近して鑑賞できる。細かな筆致や絵の質感を間近で感じられる
 - 部屋の規模が小さい:サロンのような親密な空間で、作品が生活空間の延長にあるような雰囲気
 - 観覧マナーの文化差:静かに眺めながらも自由度が高く、じっくり一枚を味わう人が多い印象
 - 撮影ルールの違い:作品や部屋によっては写真撮影可能な場合もあり、日本の厳格な撮影禁止と異なるケースがある
 
観覧のコツ(実務情報)
- 営業目安:火〜日 10:00–18:00/月曜は午後のみ開館のことあり(最終入館は閉館約30分前)
 - チケット:混雑回避のため時間指定のオンライン購入がおすすめ
 - 所要時間目安:急ぎなら1–2時間、ゆっくり鑑賞は2–3時間確保
 
周辺の見どころ(セットで回りやすいスポット)
- ビネンホフ(国政の中枢)・ホフフェイフェル(池)
 - ハーグ市庁舎・旧市街エリアの街歩き
 
こんな人におすすめ
- フェルメールやレンブラントなどオランダ黄金時代の絵画を“凝縮して”味わいたい
 - 絵と自分との距離を近く感じながら、細部までじっくり観たい
 - 美術館+歴史的建築+街歩きを一度に楽しみたい
 
絵本『おしえて、レンブラントさん』のご紹介!
17世紀オランダ、アムステルダム。
町の人たちを描く大きな絵を制作中の画家レンブラント。
好奇心いっぱいの少女ニーシェは、絵づくりの現場を見たくて走り出します。
みんなが「自分を目立たせてほしい」と願う中、ニーシェは自分の小ささに気づきますが――
名画《夜警》の除幕の日、思いがけない“自分の役割”を発見します。
絵画の構図や光と影の工夫が自然に学べ、自分の存在価値を見つめ直す勇気をくれる絵本です。
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