No.013 旅行代理店ミッション#5:通訳業務

ミッション

ドイツでの通訳業務は、日本語とドイツ語(または英語)を使って、現場でリアルタイムに意思疎通を助ける仕事です。

業務の種類や働き方、必要な資格、報酬相場などを整理すると次のようになります。

【主な通訳の種類】

種類内容活躍の場
逐次通訳(Konsekutivdolmetschen)話者が区切って話した後に訳す。ビジネス会議、商談、セミナー、工場見学、研修など
同時通訳(Simultandolmetschen)話者とほぼ同時に訳す。(ブースや機材使用)国際会議、公式発表、大規模イベント
ウィスパリング(Flüsterdolmetschen)小声で同時通訳を行う。少人数の会議やVIP同行
現場・アテンド通訳企業訪問や展示会、工場見学、観光案内などで同行し、日常会話や専門用語をサポート。観光業、出張サポート

【主な業務現場】

・ビジネス分野

 見本市(例:ハノーファーメッセ、アンビエンテなど)

 取引先訪問、契約交渉

 技術研修やマシン据え付け時の現場通訳

・医療分野

 日本人患者の病院受診サポート

 医療機関の国際会議や研修

・行政・法務分野

 市役所や外国人局(Ausländerbehörde)での手続き

 裁判所通訳(Gerichtsdolmetscher)

・観光・文化分野

 ツアーガイド兼通訳(通訳案内士的役割)

 芸術イベントや交流プログラム

【必要な資格・登録】

・必須資格はない(民間でも活動可能)

・ただし公式文書や裁判所通訳は、州ごとの「公認通訳(Beeidigter Dolmetscher)」登録が必要

・語学力だけでなく、専門分野の知識や用語力が重要

【収入・料金目安】

※経験・分野・依頼主によって変動

・逐次通訳:時給 €35〜€60

・同時通訳:半日(4時間)€300〜€500、1日€500〜€900

・アテンド通訳:時給 €25〜€50(観光業はやや低め)

・裁判所公認通訳:州の規定で1時間あたり約 €70〜€90

(移動時間・待機も有償の場合あり)

【働き方】

・フリーランス

 通訳エージェントや翻訳会社、現地企業から案件を受注

 見本市や会議など単発案件が多い

・企業内通訳

 ドイツ進出の日系企業や国際企業で常勤

 通訳以外に翻訳や秘書業務を兼務することも多い

・オンライン通訳

 ZoomやTeamsを使った遠隔通訳

 日本のクライアントからの依頼も受けやすい

【ポイントと注意】

・契約前に拘束時間・移動費・キャンセル規定を明確にしておく

・ドイツでは時間単価より半日・1日単位の料金設定が主流

・同時通訳は必ず2名以上で交代制

  →同時通訳には体力・集中力の限界があり、通常は10〜15分程度が連続稼働の限界とされています。

・医療や法務は正確性と倫理遵守が求められる

ビジネス通訳では専門用語の事前準備が成功のカギ

 →十分に事前の資料を時間に余裕をもって入手できない場合、仕事を断る通訳さんもいらっしゃいます。

 →手配する側もなるだけ顧客の情報や資料を早い段階で入手し、通訳さんが事前にしっかり準備できるようにサポートしなくてはいけません。

 →これは現場で、通訳さんがよりスムーズに仕事をするために大事なことです。

【同時通訳の時間的限界】

・一般的な交代時間:10〜15分ごと

 国際会議や公式イベントでは10〜12分が推奨

 特に専門性が高い内容や速い話し方の場合はもっと短く交代

・理由

 1.脳の負荷が極めて高い

   聞き取り → 意味理解 → 言語変換 → 発話 を0.5〜2秒の遅延で行う

 2.集中力の持続時間

   脳科学的にも高負荷作業は15分前後で精度が落ち始める

 3.疲労による誤訳リスク

   認知処理が追いつかなくなり、省略や誤訳が増える

 4.交代制の基本

   同時通訳は必ず2名以上で行い、片方が通訳中はもう片方が資料確認や用語サポートを行う

長時間イベントでは3名体制もあり

【まとめ】

通訳業務は、異なる言語と文化の橋渡しをする仕事です。

仕事を依頼する側としては、通訳さんが気持ちよく仕事に励んでいただけるよう、しっかりサポートすることが大切でした。

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